令和8年第一回天理市議会にて、来年度の施政方針を御説明しました。
本市は、「人口減少社会適応都市」を目指すと2年前から表明しています。
では、その本質は何か?
幸せに生きるべき一人一人が、自分らしく幸福を追求できる社会。
様々な課題や困難を抱える人達の生きづらさを和らげ、安心を醸成できる社会。
異なる人同士が互いを尊重し、支え合える共生社会。
人口減少社会の中で天理市政が目指すのは、ひとりひとりの安心と幸福である、との原点の上に、天理市の財政状況と重点施策について述べました。
以下、全文です。
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令和8年第1回天理市議会定例会 施政方針
本市は、令和6年度予算の上程に当たり、「人口減少社会適応都市」を目指すことを宣言しました。その後、我が国の人口減少と少子高齢化は、ますます深刻化しています。令和7年中、日本人人口は前年比で90万人超減少しました。和歌山県や香川県を超える人口が1年で減る一方で、高齢者人口は全体の29%に達しました。令和7年に生まれた子どもは66万8千人でした。現在の18歳は109万人ですので、18年後には新成人が4割弱減少することになります。
昨年本市で誕生したこどもは、2024年の341人を下回り、302人でした。合計特殊出生率は、暫定値で1.1を下回ると見込んでいます。今、小学校6年生に当たる12歳児の数と比較して、42%減少し、減り幅は全国平均を上回ります。12年後には、本市の小学校の児童数は、ほぼ確実に現在の5割程度に半減します。
合計特殊出生率の算定根拠となる15歳~49歳の女性数は、12年前比で26%減、6年前比で18%減です。人生のあり方が多様化する中、出産を女性固有の役割のように定義することは時代錯誤です。しかし、認めざるをえない現実として、母数となる女性の絶対数が減少している以上、出生「率」が今後ある程度回復したとしても、出生「数」が減り続けることは避けられません。
医療福祉や製造業に限らず、多くの業界で人手不足が顕在化しています。我が国は、非正規も含めた高齢者や女性による労働力人口の増加によって、生産年齢人口の減少を補ってきましたが、限界を迎えつつあります。
国会では、物価高騰対策、外国人労働者の受け入れのあり方、社会保険料をはじめ現役世代の負担軽減などが、主要な論点として議論されるでしょう。しかし、税制や金融政策、再分配の工夫だけで、我が国の課題を和らげることは、もはや不可能です。少子化対策の上でも、子育て世帯をはじめ家計の負担を軽減することは重要です。ただし同時に、我が国の財政規律が国際的な信用力を失い、円安や金利の上昇に収拾がつかなくなれば、財政出動の効果は無に帰すどころかマイナスになり得る点も理解しなければなりません。
世界全体の人口はむしろ増加しています。新興国の経済成長に伴い、我が国が経済大国であり続けることは「当たり前」ではなくなっています。1人当たりGDPは主要7カ国で最低となり、円安によって、外国人労働者にとっての魅力も低下しています。インバウンド観光客には、1杯3,000円のラーメンは、法外な高値ではありません。
積極財政を進める上で、人口減少という現実を正面から受けとめつつ、デジタル化やAI・ロボティクスの活用をはじめ生産性を向上させ、我が国の国際競争力を回復することが急務です。
では、我が国の未来が岐路に立つ中で、私たち天理市政の役割は何かを、問い続けています。
政府による成長投資の果実が、恵みの雨のように降ってくるのをただ待つのではなく、無償化や助成金の嵩上げを他の自治体と競い、人口を取り合うのでもありません。
近代日本が富国強兵に邁進する中、「国益」の名の下に個人の幸せが抑圧された轍を踏んではいけない。また、格差が拡がる中で社会の分断が深まり、民主主義が機能不全に陥るようなことがあってはならない。
幸せに生きるべき一人一人が、自分らしく幸福を追求できる社会。
様々な課題や困難を抱える人達の生きづらさを和らげ、安心を醸成できる社会。
異なる人同士が互いを尊重し、支え合える共生社会。
政府としても、これらを追求されていくと信じますが、暮らしに一番近い基礎自治体こそ、その具体像を示す使命があります。都市部よりも人口減少の波を先に受けている本市から、「地域コミュニティ」とは、幸福を求める個人が能動的に参加する「繋がり」と「居場所」であると再定義し、再構築していきます。
これは決して、大風呂敷やホラではありません。
本市が令和6年度からスタートさせた「ほっとステーション」は、国会でも度々取上げられ、2年弱で58件の視察を受けています。文部科学省と子ども家庭庁のモデル事業に採択され、来訪した国会議員、財務省幹部、市町村議会議員や教育関係者と意見交換を重ねてきました。単に保護者からの「相談窓口」を分けたのではなく、学校にどこまでも伴走し、共に課題を解決する仕組みであることへの理解が、少しずつ拡がっています。
「こどもまんなか」の視点から、心理士や作業療法士など様々な専門家と校園所長経験者がチームとなり、教職員と共に、「問題行動」に関わる児童生徒、相談や苦情を寄せる保護者の言動の背景にある不安や生きづらさを和らげています。
教職員からは、「これまで聞き出すことができなかった保護者の本音を知ることができた」「第三者的な立場から言いたいけれど言えなかったことを伝えてくれた」等の感想が出始めました。
金銭に関わるトラブルでは弁護士が前面に出て返金や和解に対応し、教職員は「ほっとステーション」とともに生徒の内省を促すことに集中できました。ネグレクトやオーバードーズなど、家庭の課題が絡む不登校案件では、教職員と「ほっとステーション」が共に行動し、通学の再開に漕ぎ着けることができました。警察や児童相談所が動けず、「狭間」に落ちていた虐待事案についても、家庭児童相談室をはじめとした福祉との連携が進みました。
「ほっとステーション」が全国に投げかけているのは、教職員だけが教育現場の課題を抱え込むのではなく、多様な距離感、角度、専門性からこども達や保護者の課題を「見立て」、こども達一人一人の安心を得ることを最優先にした発想の転換です。文科省主催のパネルディスカッションでも、「『こども理解』なくして、『こどもまんなか』なし」との私たちの信念を伝えました。
昨年夏には「こども理解研修会」を開催し、教職員とともに市PTA協議会や学校運営協議会の参加を得て、発達障害や特性、愛着形成、感覚統合などについて学びました。形式平等や、他の児童生徒との比較にとらわれるのではなく、そのこども自身の理解に基づき、一人一人の生きる力を育む。私が教育大綱に掲げた根本精神を実践しつつ、共感を拡げるために全力を尽くしています。
「安心」とは何か。「自分はここに居ていい」と心から思えることだと、本市が連携協定を結んだ「アトリエe.f.t.」から教えられました。安心と自信が根っこにあれば、こども達は意欲をもって、自ら主体的に学ぶことができます。そして、こども達が安心するために必要な条件は、「周りの大人達が笑っている」ことです。
アーティストの吉田田タカシ氏を代表とする不登校支援の取組み「トーキョーコーヒー」は、わずか3年間で、全国47都道府県417カ所に拠点が拡がりました。学校生活に「適合できない」こども達の場所をつくるのではなく、不安に押しつぶされそうな保護者が、自分達のしたいことをして繋がり合えるコミュニティをつくっています。お母さんやお父さんが、家で見せていた怒りや落胆の表情の代わりに、笑顔を見せた時、こども達は安心して、本来のこどもの表情を取り戻しています。
本市の教育大綱では、不登校は学校に行けなくなったことが問題ではなく、学校がその子にとって安心できる場所でなくなったことが問題だ、と定義づけました。吉田田氏は、全国で35万人を越えた不登校は、こども達の問題ではなく、大人達の課題であると訴えかけています。
「つくるを通して いきるを学ぶ」をテーマに活動してきたアトリエe.f.t.は、天理市と一緒なら、公教育も含めて日本の教育を変えられると志を同じくし、その拠点を本市に移すことを決断してくれました。
長らく地域と共に育んできた御経野児童館は、本年度末をもって機能を御経野コミュニティセンターに移し、老朽化した建物を「e.f.t.カレッジ・オブ・アーツ」に生まれ変わらせます。令和9年4月のオープンを目指し、企業版ふるさと納税やクラウドファンディングなどで改修と初期投資への協賛を募ったところ、必要な約2億6千万円が全国の企業や有志から半年足らずで集まりました。
カリキュラムにとらわれない創作活動を通じて、様々な生きづらさを抱えたこども達の生きる力を共に養うアートスクールに併設して、地域と全国の教育関係者や企業などが教育について共に考え、交流するパブリック・スペースが生まれます。こども達を育むことを通じて、地域の活力が生まれるモデルを、私たちは日本中に発信します。総務省は交流人口の創出強化を目指し、令和9年度から「ふるさと住民制度」を全国展開する予定です。すでに「トーキョーコーヒー」に繋がる2万5千人をはじめ、こどもまんなかの教育を目指す多くの人達にとって、天理をみんなの拠り所とする機会です。
「e.f.t.カレッジ・オブ・アーツ」のオープンに先立ち、令和8年度より教育総合センターで開設している「ほっとスクール」を改めて公設のフリースクールに位置づけます。「ほっとスクール」は、昨年まで「適応指導教室いちょうの木教室」として運営してきました。しかし、教育大綱に示したとおり、私たちは「適応」を「指導」するという視点を改め、こども達ひとりひとりの安心を第一として、主体的に学ぶための意欲、心のエネルギーを回復することを第一にしています。「ほっとスクール」と、隣接する「e.f.t.カレッジ・オブ・アーツ」が連携し、相乗効果を出していくことで、教育界が抱える諸課題に対して、天理が新たなページを拓いていきます。
全てのこども達にとって、教育が真に生きる力を養うものであるためには、授業のあり方を見直すことが不可欠です。2年間でほっとステーションが対応した件数は約千件に及びます。少なくない事案で、「問題行動」の背景に、学習面の課題があることが分かりました。
こども達の習熟度と家庭の社会経済状況が多様化する中、普通教室での一斉授業と特別支援教室の二本立てでは対応しきれないのが現状です。
トラブルを起こし、反省を経て教室に戻ったある生徒は、アルファベットも十分に分からないまま英語の授業でただ座っている状態でした。学習面の遅れが問題行動に繋がっていることは、小学校の時点で明らかでした。
起きている時間、学校にいる時間の大半を占める授業が、教職員の努力にも関わらず、「不適合者」を生み出す装置として機能しているとすれば、余りにも皮肉なことです。
そこで、市内各校から有志の教員が集まり、「習熟度が様々なこども達にとって、毎日の授業が楽しくなる」ことを目標に掲げ、「毎日が楽校プロジェクト」を立ち上げました。令和7年度は、昭和女子大学との連携の下、認知特性などについて専門家から学びつつ、文科省から紹介を受けて先進地視察などを行いました。その上で、こども達にとって授業が楽しいと思える「因子」は何か、教職員がこれまでの実践を分析しながら議論し、抽出を試みています。合せて、教職員の創意工夫を阻んできた「マイナス因子」は何か、何を緩めれば、教職員は活き活きとこども達に向き合えるのか、評価、試験、カリキュラム、担任制度のあり方、デジタル化のプラス・マイナス両面などタブー無く洗い出しています。
令和8年度は、ICT支援体制の強化など「マイナス因子」を可能なものから変革しつつ、全ての教職員が「プラス因子」を念頭に、こども達が学ぶことが楽しいと思える授業づくりを自在に行えることを目指して議論を進めます。その中で、朝和小学校は、次期学習指導要領に向けて文部科学省が指定する「教育課程柔軟化サキドリ研究校事業」に採択されました。令和8年度から2年間、カリキュラムを柔軟化した上で、ICT活用に力を入れて取り組みます。
小規模であっても学校統廃合を選ばす、学校を地域コミュニティの拠点として位置づける「みんなの学校プロジェクト」は令和8年度に新たなステージを迎えます。学校教育と、社会教育・生涯学習を融合させる、天理市版「学校三部制」は、「ほっとステーション」と合せて注目が高まっています。令和8年8月に本市をメイン会場として開催予定の「第74回日本PTA全国研究大会 奈良大会」分科会において、私が基調講演で紹介する予定です。
学校三部制を実践する学校の第一陣として、山の辺小学校と柳本小学校の改築改修事業を進め、令和8年度は設計を行い、令和9年度の着工を目指します。児童や教職員、地域の意見も参考として、近日中に最優秀提案を公表する予定です。
山の辺小学校では、天理市建築士会が児童と共に、自分たちにとって楽しい校舎の理想像を取りまとめるとともに、児童からアンケートをとり仕様書の付属資料として添付しました。
また、東部公民館と祝徳公民館を複合化することを前提に、地元有志による地域連携会議「ワガマチ合考やまのべ」が、ユニバーサルスポーツや福祉講座などを積極的に進めています。柳本校区でも、公民館と一体となった学校のあり方について地元主体で議論が進み、仕様書に盛り込みました。
これまで空き教室を利活用してきた特別支援教室については、発達支援アドバイザーの助言を得て、特性に応じて安心できる仕様としました。学校全体で、こども達が落ち着ける空間の確保も重要な要素としています。
地域でこども達を育みながら、こども達と共に地域を育てる学校地域連携は、これまで櫟本校区をフロントランナーとして各校区で進んできました。いよいよハードのあり方自体から、人口減少社会における新たな学校の姿を天理市が示していきます。
予算面でも、複合化による補助率の嵩上げ、公共施設等適正管理推進事業債の活用により、本市負担を約3割強削減できる見込みです。多くの自治体で学校や公民館の統廃合が地域との軋轢の元になっています。本市取組みは、公共施設の面積を合理化する側面を持ちながら、市民サービスの減退を「我慢」いただく思考ではなく、新たな価値を共に創造するチャレンジです。
専門的視点を交えながら、どこまでも人に寄り添い、ひとりひとりの安心と幸福を中心に据える視点の大切さは、教育・子育てに限りません。
令和7年は、世界アルツハイマー月間に「認知症とともに生きる」と題した講演会を開催しました。若年性認知症の当事者として活躍されている平井氏から、「できなくなった」ことにとらわれて不安に陥るよりも、早い気付きによって、より多くの「できる」ことを、可能な限り長く維持する環境調整や取組みの重要性をお話しいただきました。
認知症認定医として市内でリードいただいている宮城医師は、認知症患者は、認知の世界に生きることが少なくなっても、感情の世界で生きていることを紹介されました。何を言ったかは記憶に残らなくても、どんな風に話したかは残る。話の道筋は分らなくても、感情は分る。微笑、笑い声、触れる手の温もりは、認知症の人達に通じる。訪ねてなんと言葉をかけて良いか分らない時には、傍にいたら良い。
「あるがままの私達を愛して欲しい」という当事者の言葉に対して、今も確かにあるものへの眼差しを私たちは見直す必要があります。本市は、ユマニチュード講演会など認知症の人の尊厳ある暮らしを守るケア技法の普及啓発を行ってきましたが、ケアを受ける人の安心を中心に据えることは、実はケアを行う側の心も癒やし、負担感を軽減することにも繋がります。これまで進めて来た地域のサロン活動や居場所づくりとの連携、活脳教室などにおいても、改めてこの視点の普及啓発に励みます。
また、できることを可能な限り維持する上で重要なことは早期発見・早期治療です。令和8年度は、指定管理により社会医療法人高清会が運営する市立メディカルセンターにおいて、次世代型健診機能の強化を行います。CT検査によるAI搭載型の3D画像診断を導入し、患者自身もバーチャル画像で体の内部を確認出来ます。また上腹部MRIを追加する事により膵臓など従来早期発見が難しかったガンの早期発見、大動脈解離のリスク対処などにつなげます。
高清会が運営する隣接のメディカル・イーストでは、「天理こだまこども園」に通う子ども達が、日常的にサービス付き高齢者向け住宅の居住者やリハビリデイサービスセンターの利用者と交流し、児童福祉と高齢者福祉の融合を実践しています。同じ前栽校区では、市内種苗会社の大和農園が新たな特別養護老人ホーム「ゆうび苑」を4月にオープン予定であり、農業と福祉の連携が深まると期待しています。
「アトリエe.f.t.」に限らず、本市は志を共有できる様々な主体と積極的に連携することで、人口減少社会の課題解決を図ります。社会経済的に複合的な課題を抱えていらっしゃる世帯への重層的な支援を行うためには、行政だけが抱え込む発想を超え、地域と共創する取組みが不可欠です。
人口減少社会の新たな課題としてあげられるのは、外国人労働者を巡る議論です。昨年の参議院選挙でにわかに争点化し、政府は「外国人との秩序ある共生社会の実現」を目標に掲げました。我が国の外国人人口は令和7年時点で人口の3%であり、10%を超える欧州諸国よりは低いレベルにあります。令和7年12月時点の住民基本台帳人口では、本市人口60,034人の内、外国人は1,361名で約2.2%です。全国平均より少ないものの、奈良県内では比較的高い水準です。福祉分野での就労に加えて、これから企業立地などが進めば、増加する傾向にあると見込まれます。市民が新たな「隣人」として意識を高める水準にあると言えるでしょう。
欧州諸国では、外国人労働者をめぐり排外主義の高まりや地域社会の意見の分断が深刻化しています。この現象をある人類学者は、外国人と一括りにしてしまい、それぞれ人格も背景も異なる移民や難民を、人としてみない「非人間化」が行われたと指摘しています。
偏見の芽は、日常生活の些細な点に潜んでいるでしょう。ゴミ出しのマナー、夜間や電車の中での声の大きさ、コンビニの前に集まっているなど、ちょっとした違和感から、不安、恐れ、そして差別の温床となる偏見が生まれます。
本市の特徴として、外国人留学生が多いことが挙げられます。天理ユネスコ協会による交流会、ワールドフェスティバル、ペスタ・インドネシアなど、これまで市民レベルでの友好が育まれてきた町です。ウクライナ人避難民の受け入れを、関西で最も早く行い、今も留学生が学び続けています。本市だからこそ、地域住民との誤解による軋轢が生まれることがないよう、予防的に対応することが重要であると考えています。令和8年度は、外国人を雇用する事業者と意見交換を行い、外国人の生活上の困りごと等を把握するとともに、地域社会との秩序ある共生に必要なルールの啓発などについて検討を進めます。
福祉や物価高騰対策を巡って、外国人対策への批判が行われる背景としては、「日本人である自分たちにもっと目を向けられるべきだ」という不満や憤りがあると思われます。人権上許容できないものには、他人事として見過ごすことなく対応しつつ、同時に、排外的な言動もSOSの一種と受けとめ、和らげる努力を伴わなければ、欧州諸国のように分断が深まるばかりです。政府による経済政策、外国人対策に加えて、地方社会において孤立・孤独対策や、重層的な支援を充実させていく必要があります。
その上で、日本人も、外国人も、ひとりひとりが幸福になるべきという視点が不可欠であると本市は考えます。経済的な処遇面では、すでに外国人労働者の確保を巡って、湾岸諸国は言うに及ばず、円安により韓国や台湾との競争も厳しい現状です。令和9年に技能実習制度は育成就労制度に移行する予定ですが、日本でなら知識や技術においても成長でき、幸せに暮らせると思えなければ、数量規制の是非に関わらず、優秀な人材の確保は難しいでしょう。本市は、政府の動向を注視しつつ、みんなが幸せになる共生社会のあり方を模索し、令和8年度に策定予定の「人権施策基本計画」の中でも、この観点を盛り込みます。
「人口減少社会適応都市」の根本は、ひとりひとりの安心と幸福の追求である点を、改めてお示ししました。この思想に基づき、令和8年度予算は5本の柱に沿って編成しています。
1つ目が、地域と共に、一人ひとりの豊かな未来を育む「教育・子育て」の充実
2つ目が、誰もが地域で安心して健やかに暮らせる「福祉」の充実
3つ目が、市民の命と暮らしを守る「安全・安心」のまちづくりの実現
4つ目が、活力ある地域社会に向けた「賑わい」の創造
5つ目が、人口減少社会に適応した持続可能な「行政サービス」の実現
です。詳細は後ほどご説明させていただきます。
◆予算の全体像(フレーム)
このような認識の下、議案第4号、令和8年度天理市一般会計予算(案)について本市の財政状況と合わせて御説明します。一般会計の予算額は、歳入歳出とも303億8,000万円、前年度比で19億1,000万円、6.7%の増額となりました。
◆歳入
まず、歳入からご説明いたします。
市税のうち、個人市民税は、前年度当初予算より900万円、法人市民税は2,900万円の増額を見込んでいます。固定資産税の土地及び家屋は増額となっていますが、民間事業の総務大臣配分の影響などもあり償却資産が7,900万円の減少となり、市税総額は80億4,200万円、前年度比1,500万円、0.2%の増収となる見込みです。
地方消費税交付金は、前年度比1億9,900万円、13.0%の増収の17億3,500万円となる見込みです。
地方交付税は、70億500万円となり、前年度比4億8,700万円、7.5%の増収となる見込みです。
国庫支出金については、学校施設環境改善交付金や物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金のほか、障害者自立支援給付費負担金の増加により、前年度比4億1,700円、8.6%の増の52億8,700万円となる見込みです。
県支出金は、奈良県ごみ処理広域化施設整備補助金ほか給食費負担軽減事業費補助金等の増加により、前年度比27.0%増の32億2,700万円となる見込みです。
市債は、山の辺小学校及び柳本小学校の建替事業費が増加している一方、やまとecoクリーンセンター・清掃管理事務所建設費、小・中学校体育館の空調機設置にかかる整備事業債等が減少しており、市債全体では前年度と比較し1,600万円の減少となる見込みです。
道路等の整備や学校関連施設などの公共工事については、引き続き市民の命と安全・安心を確保するために緊急性のある優先すべきものを十分精査し、国の経済政策等を踏まえ、国庫補助金の活用や償還時に地方交付税措置等のある有利な起債の利用に努めています。
◆歳出
次に、歳出について申し上げます。
目的別の歳出として、歳出全体の45.0%を占める民生費は、136億7,500万円で、前年度比8億300万円、6.2%の増加となっています。障害福祉サービス介護給付費、障害児施設通所給付費、生活保護扶助費、子どものための教育保育給付費負担金、教育・福祉・地域連携「e.f.t.カレッジ・オブ・アーツ」整備補助事業等が増加しています。
総務費は45億6,100万円で、減債基金積立金の増加、文化センター設備改修事業の皆増、選挙費(市長及び参議院)や国勢調査費の皆減により、前年度比9億8,500万円、27.5%の増となっています。
教育費は38億4,500万円で、屋内運動場空調機設置事業完了による小学校施設整備事業費の減少、GIGAスクール端末更新事業が皆減する一方、山の辺・柳本小学校建替事業が増加し、前年度比7億5,500万円、24.4%の増となりました。
予算規模は、前年度と比較しまして19億1,000万円増額し、303億8,000万円となり、やまとecoクリーンセンター等の大型建設事業が重なった令和6年度に次ぐ過去2番目の300億を超える予算となりました。主な要因としては、建設事業費の他、年々増加の一途をたどる扶助費等の社会保障経費が増加しています。ただし、令和9年度は小学校の建替事業等が本格化することから、更なる予算規模の増が見込まれており、いっそう気を引き締めた予算編成が必要です。
◆財政状況
この歳入・歳出案をお認めいただけた場合、令和8年度末の一般会計における市債残高は、249億6,000万円となり、過去に借り入れた市債の償還元金を差し引きすると、前年度に比べて10億8,200万円減少する見込みです。
令和8年度の市債元利償還金は、臨時財政対策債を含め約22.4億円となっていますが、このうち5割程度は普通地方交付税の基準財政需要額として算定されています。
基金からの取り崩し額は、減債基金が1億3,400万円、公共施設整備基金が5,000万円で財政調整基金の取り崩し額は、前年度に比べて0.7億円減の約6.5億円です。令和7年度の決算時には、約5億円の積み増しがあるものと想定され、令和8年度末の財政調整基金残高は約43億円を確保できるものと見込んでいます。
財政調整金は、一時期約10億円まで減少していたものの、近年は増加傾向にあります。ただし、これは市税収入の上振れや国の交付金等の増加による歳入増加が原因であり、経常収支比率も依然として高い状況です。
今後、耐用年数を迎える小学校の建替えをはじめ、老朽化する公共施設の整備やクリーンセンター整備等に伴う増加する公債費には多額の費用が見込まれます。財政調整基金が徐々に目減りし、遠くない将来に予算編成が困難に陥る可能性もあります。今後懸念される大規模震災等の有事に備え、機動的に市民の命を守り、復旧復興に向けて動くためには、一定規模の基金残高の確保が必要となります。
本市は、2019年より財政構造改革プランに取組んで参りましたが、人口減少社会を踏まえつつ、持続可能な市民サービスを実現していくために、公共施設の総量を適正化し、将来の維持管理経費を合理化するファシリティマネジメントを一層進める必要があります。
この点、本市は10市町村によるゴミ処理広域化により、構想段階の奈良県試算によれば、建設費と50年間の維持管理経費を含め、事業費ベースで500億円を上回る合理化に道筋を付けました。ゴミ量割合から1/3程度は本市財政への貢献として換算でき、建設費用が計画当初より上振れしたことを考えれば、また、広域化をしなかった場合に、単独での長寿命化と新設という13年前時点の本市計画と比較すれば、少なく見積もっても100億円規模の経費節減につなげました。加えて、旧クリーンセンターの解体費用も、広域化によって公共事業等適正管理推進事業債を活用できることになり、償還時の本市負担は約2億円軽減される見込みです。
また、前栽小学校の改築以来、建替え規模の合理化や学童保育の校舎内設置、別所丹波市線の計画見直しなどにより、事業費ベースで10億円単位の合理化も実現してきました。幼保一元化による施設の統廃合を着々と進め、山の辺・柳本両小学校は、学校教育と社会教育・生涯教育の融合による付加価値の増加を地域と共に進めながら、3公民館の集約を図っています。
市議会及び地域の御理解と市職員の尽力の賜物でありますが、これらは全国の自治体を見渡しても何れも非常な難事であり、「財政を守りつつ市民サービスを高めてみせる」という信念のもと本市は果敢に進んで来ることができました。私たちは、これからも「為せばなる」「至誠、市民に通じる」と信じて、弛みない努力を続けて参ります。
さらに生成AIの活用を含めたデジタル化が日進月歩で進んでいます。AI等が処理する領域が日に日に拡大する中、人間でなければできない、人と人が向き合い対話することの価値を既成概念に囚われることなく見直し、事務を合理化することは、民間ビジネスに限らず公共サービスを担う自治体業務においても不可欠です。財政面はもちろん、近い将来に生産年齢人口が激減し、公務員においても人材獲得が今よりも遙かに厳しくなることが見込まれる中、今後数年の内に、市役所業務を「受け身」ではなく、「能動的」に変化に適応させていく覚悟が必要です。「書かないワンストップサービス」の導入は、住民情報システム標準化の移行が開発するシステムベンダーの事情により遅れるため、令和10年度からの実装に向けて時期を見直しましたが、その間にも技術が飛躍的に進歩していくことを踏まえて、単なる延期ではなく、より深いデジタル化を目指して参ります。
ふるさと納税については、近年は、単に返礼品を目的としてではなく、本市の事業に賛同・共感いただいた企業または個人のみなさまより寄附をお寄せいただいています。自治体の事業を応援するガバメントクラウドファンディングや企業版ふるさと納税を活用してお預かりしたご寄附は、令和5年度から急速に伸びており、令和6年度は約2億3,000万円、令和7年度は既に、個人のふるさと納税で1億5,000万円、企業版ふるさと納税では2億8,000万円、合計4億3,000万円を超えるご寄附をお預かりすることができました。
本市は、総務省の制度の隙間を狙い、本当に「地元産品」と言えるか疑わしいような返礼品まで動員するような過剰な競争は、地方財政制度上の「外道」と言う他なく、本来の趣旨にそぐわないと考えています。それよりも、本市が民間の同志と連携して進める教育改革や子育て支援、活性化などの事業に、真に共感し、応援したいと御厚志を寄せて下さる皆さまの輪を拡げることを重視して参ります。
以上が、予算及び本市財政状況の全体像です。これより、令和8年度予算の編成方針で掲げました5つの柱に沿って、重点施策について順次ご説明致します。
Ⅰ.地域と共に、一人ひとりの豊かな未来を育む「教育・子育て」の充実
第一の柱は、地域と共に、一人ひとりの豊かな未来を育む「教育・子育て」の充実です。
冒頭でも申し上げた学校三部制による「みんなの学校プロジェクト」は、校区により進捗に差はあるものの、着実に進んでいます。井戸堂小学校では公民館の俳句クラブとの合同授業が進み、山の辺校区の「ワガマチ合考やまのべ」では、視覚障害のある方の日常を学ぶための盲導犬教室を実施するなど、各学校で地域の特徴を活かした活動が深まっています。こどもたちの体験格差を和らげつつ、地域の大人にとっても、こどもたちとのふれあいを通じた楽しさや生きがいを創出しています。
効果として、信頼できる地域の大人の目が増え、「学校関係者」の裾野が広がることで、校内、そして登下校時を含めた犯罪抑止力が高まります。災害発生時、学校施設が避難所となる際にも、地域住民が支え合う「共助」を育成し、地域防災力の向上にもつながります。
空き缶、ペットボトルキャップ、インクカートリッジ等を集めるイチカステーションでは、環境学習を通じた多世代交流が育まれています。令和8年度は、持続可能な航空燃料「SAF」に転換するため、使用済み食糧油の回収に対象を拡げます。
JICA関西及び天理大学との連携による国際教育、地域の魅力をこども達自身が再発見して未来につなぐ「Be a Time Traveler」、姉妹都市である韓国瑞山市との中学生交流等、令和8年度も、地域と共にこども達の視野や感性を拡げる取組みを発展させて参ります。
こども達の学びと多世代交流の上で、図書室の役割を重視しています。令和7年度は柳本小学校で地域ボランティアに協力いただき、図書のデータ登録や本の配架の見直し等を行いました。タブレット端末のアプリから本を探し、お薦めを他の児童とシェアし、読書記録を付けることができるようになり、貸出冊数が飛躍的に増加しました。
令和8年度は、井戸堂小学校及び二階堂小学校でも同事業を行います。ゆくゆくは、市内全校と市図書館を一つの大きな「図書室」と捉え、全ての蔵書をどの学校からでも利用できる体制づくりを目指します。建て替えを行う2校では、共用部分を中心に、至るところに図書を配置し、本を通じて多世代が交流できる空間をつくります。市図書館では、出版社や県内書店とも連携し、イベントやスタンプラリーを通じて活字文化の振興を図ります。
施設面では、各小学校プールが老朽化しており、南中校区では、井戸堂小学校への一元化を進めます。朝和小学校はすでに民間プールを利用しており、柳本小学校も建替えに伴ってプールを撤去します。井戸堂小学校のプールサイド、ろ過機、更衣室、トイレの改修を行い、3校が合同してプール授業を進めます。防災機能強化を目指し、プール水を活用したマンホールトイレ(10個)を設置するための工事も行います。
令和7年度にエアコンを設置した学校体育館については、令和8年度に丹波市・前栽・櫟本の3小学校と西中学校で断熱性を高める工事を行い、福住小中学校と南中学校ではトイレ洋式化に向けた設計を行います。
令和8年度は、給食の無償化とクラブ活動の地域展開という大きな転換を迎えます。
小学校では、新たに国が創設する給食費負担軽減交付金(仮称)により、1人当たり月額5,200円までが軽減されます。本市では、不足する約1,000円を『重点支援地方交付金』と市費負担で補完し、完全無償化に踏み切ります。また、中学校についても、令和8年度は物価高騰対策の一環として「重点支援地方交付金」と市費で補完し、保護者負担を「ゼロ」にします。
教職員が「学校三部制」の「一部」、すなわち、授業でこども達に向き合うことに集中するため、「二部」に位置づけた中学校部活動については、平日・週末共に地域展開を進めます。
部活動は、これまで生徒指導の上でも一定の役割も果たしてきました。しかし、私生活への影響をはじめ、重い負担感が教員のなり手不足の一因にもなっています。
スポーツ庁と文化庁の方針に応えて、奈良県は令和8年度より休日の部活動を地域クラブ活動として進める予定です。本市は、政府の「平日も含めた地域展開等の加速化のための重点課題への対応策の検証等を行うための「実証事業」の枠組みを利用し、休日と平日で切れ目のない地域展開を図ります。
副業として指導の継続を希望する有志の教員に加えて、競技経験のある地域人材や大学生が、「地域クラブ指導員」として技術指導にあたります。教育委員会が事務局として運営管理を支え、「ほっとステーション」が保護者対応を受け持ちます。
教職員の働き方改革、そして全ての生徒にとって重要な授業の充実、クラブ活動に一生懸命取組んできた生徒の活動継続、これらが両立できるよう準備を進めて参ります。
この他、教員業務支援員や児童生徒学習支援員、校内教育支援センター支援員の配置事業を継続し、教職員の負担を軽減しつつ、様々な課題や生きづらさを抱えた児童生徒にとって、学校が安心できる、居ていいと思える場所であり続けられるよう取組みます。
学童保育は、令和8年度は全18学童保育所で当初の約2.5倍の規模となる約980人(当初は6学童保育所・児童数355人でスタート)の児童を受け入れる予定です。全国で未だに待機児童が解消されない中、本市では「学校三部制」の「二部」として学校施設を有効活用し、一貫して待機ゼロを維持しています。建替える山の辺小学校と柳本小学校でも、仮設校舎内でこれまでどおりの保育に努めます。
「ほっとステーション」の伴走により、教職員と学童指導員との連携も進んでいます。学童保育連絡協議会とともに、こども理解を深めた運営を目指します。
こども居場所づくり事業では、一般社団法人「天理文化の会」と連携しています。旧御経野老人憩の家では、家庭や学校に居場所が見いだせないこどもや、養育環境に課題を抱えるこどもへの支援を行っています。令和8年度からは、御経野児童館に通っていた児童を対象に、隣接するコミュニティセンターにおいて、同法人と新たな居場所づくり事業を開始します。老人憩いの家と合せて、一体運用する考えです。
他の官民連携では、「ひとり親家庭への支援に関する協定」を締結するおてらおやつクラブの「おすそわけ」活動に対して、令和7年度、ガバメントクラウドファンディングによる寄附が大幅に増え、1,300万円を超えました。天理市PR大使の辻本美博氏、川井聖子氏も呼びかけに貢献されました。令和8年度はおてらおやつクラブの他にも、「フードドライブ実施に関する協定」を結んでいるセブンイレブン、フードバンク天理との連携を深め、こども食堂への支援などを引き続き進めていきます。
複雑・多様化する課題を抱えた子育て家庭への支援では、令和7年度より「こども家庭センター」の統括支援員が学校や家庭などに出向いています。母子保健や家庭支援など多岐に渡る支援メニューを体系的にマネジメントするため、「サポートプラン」を作成しています。
児童虐待が疑われる事案については、家庭児童相談室が中心となり、児童相談所や警察と連携し、こどもの安全確保を最優先に取組んでいます。児童相談所や警察が直ちに動けないグレーゾーンのケースについては、これまで家庭児童相談室と学校が苦慮していました。「ほっとステーション」の発足後は、両者をつなぎ、教職員が案件を抱える事態を解消しています。
DVや貧困・孤立・メンタルヘルスの不調など困難な問題を抱える女性への支援については、女性支援相談員を中心に、相談者の安全と尊厳を守ることを第一にしています。必要に応じて、一時的な居場所の確保・生活再建に向けた支援・医療等の支援につなげるなど、切れ目のない支援を進めます。
ヤングケアラーへの支援についても、家庭児童相談室、ほっとステーション、学校がチームとなって早期把握に努め、こどもの学びや成長の機会が損なわれないよう適切な支援に結び付けています。
こどもと子育て家庭の生きづらさを軽減する上で、産前産後からの切れ目のない支援を行い、親子の愛着形成を支えることが重要です。本市は、産後間もない時期の母親の心身の休養を支え、産後うつの予防や早期支援につなげるため、産後ケア事業を実施しています。令和8年度は、里帰り等により滞在先で産後ケアを利用した場合にも助成対象を拡げます。産後の滞在地に左右されず、産婦が安心して母体の回復や休養ができる環境づくりを進めます。
心身及び生活の変化が急激で不安定になりやすい妊娠期から産後4か月までの間の母親に対して、心身の安定と産後の身体の回復、赤ちゃんの育児や新しい生活へのスムーズな導入をサポートすることを目的に、「ドゥーラ」が家庭訪問や電話・サロンでの支援を行っています。令和7年度はドゥーラを4名に倍増し、「こんにちは赤ちゃん訪問」や育児家事支援を強化しました。今後も地域でのサロン活動を実施し、より身近な存在となれるよう寄り添い支援を充実させます。
子育てに関して支援を受けたい方と、支援をしたい方をマッチングするファミリー・サポート・センター事業は、保育や一時預かり等の既存制度の狭間にある多様なニーズに柔軟に対応できる強みを活かし、メールやLINEによる匿名での相談も含め件数は増加傾向で、官民での共同体制を一層強化してまいります。
依頼側・提供側双方の会員の確保に努めるとともに、研修や意見交換会による質の向上を図ります。また、市内各地の地域子育て支援拠点との連携を深め、より身近な場所で幅広い支援を届ける体制を構築し、複合的な困難を抱える家庭を含むすべての子育て家庭に寄り添ってまいります。
子育て支援センター「はぐ~る」では、月齢別教室や子育て講座、父親向けの育児講座など、テーマに特化した取組みを進め、育児に関する不安や孤独感を和らげ、喜びをもって子育てできるよう支援を行います。
令和7年度から、3歳児未満のこどもがいる家庭に対する「えほん配達便」を本格実施しました。絵本を通じた親子の絆づくりに役立つと好評を得ており、さらなる充実を目指します。
不妊治療については、費用が高額になることが懸念されるため、予算を増額し、こどもを望まれる方が、本人の意思を尊重した治療の選択ができるよう助成していきます。
少子化・孤独孤立等対策応援事業では、地域ボランティアとして活躍していた「ハロパト天理」が、令和7年度にNPO法人「ハロパトやまのべ」を設立しました。未婚・結婚や離婚といった幅広いテーマについて、相談支援を行っています。応援団も100事業者・団体を超えました。天理大学との連携も進んでおり、令和8年度は、若者の結婚希望を妨げる経済的不安を和らげるため、キャリア形成と婚活を同時に考えるワークショップなどを企画します。また、桜井市、三郷町、上牧町等と連携して、広域的なマッチングやノウハウ共有も進んでおり、桜井市との合同イベントも予定しています。
幼保一元化による就学前教育と保育の充実では、こども園化の推進と民間保育園の誘致により、令和5年度に待機児童の解消を達成しました。他方で、少子化が急速に進展し、特に幼稚園は新規入園者の現象が深刻です。かつて希望が殺到していた公立保育所の0~2歳児の募集状況も、明らかに変化しています。
本市は、各小学校区で公立の就学前の受け皿を守ることを目指し、令和7年度も「櫟本北こども園」をオープンしました。次に、新規入園者数が10名に満たない二階堂幼稚園を嘉幡保育所に統合し、令和10年にこども園として開園するため、令和8年度に設計業務を進めます。
一方、南中学校校区の幼稚園3園は、統合する公立保育所がなく、別の対策が必要です。幼稚園が敬遠される大きな一因に、お弁当作りがあることは否めません。そこで令和8年度は、井戸堂幼稚園から、隣接する小学校で園児が給食をとる事業を開始します。井戸堂での試行を検証した上で、令和9年度以降に市内すべての公立幼稚園での給食導入を目指します。
こども家庭庁が令和8年度より全国一律で開始方針を打ち出した「こども誰でも通園制度」は、本市では「はぐ~る」に専任の保育士を配置して実施します。民間保育園2園も実施希望を出しています。
同時に保育サービスを受ける第二子以降に対する保育料の無償化、私立保育園に勤務する保育士の処遇改善、高校生世代まで対象を拡充し「現物給付化」したこども医療費等福祉医療扶助などは、着実に継続して参ります。
Ⅱ.誰もが地域で安心して健やかに暮らせる「福祉」の充実
第二の柱は、誰もが地域で安心して健やかに暮らせる「福祉」の充実です。
令和8年度は、3カ年かけて準備してきた天理市包括的支援体制「てんりシフト」が本格稼働します。複合化・複雑化した課題や制度の狭間となる課題を抱える世帯に対し、包括的支援体制コーディネーターを中心に、庁内外含めた支援機関や地域の支援者によるチームを編成して支援を実施します。また課題を持つケースに対して、一つの部署だけで対応するのではなく、チームとして関係部署が役割分担し支援方法を検討し対応していきます。同時に、支援に参加できる社会資源の開拓も進めます。なり手不足が深刻な民生委員は、負担を軽減するため、令和7年度に民生委員協力員制度を導入しました。
中長期的視点において、地域による見守り機能を向上することで課題が深刻化する前に早期発見・早期対応できる地域を構築していきます。
令和8年度から12年度の5年間を対象に策定した「第2期天理市地域福祉計画・地域福祉活動計画」は、「成年後見制度利用促進基本計画」・「再犯防止推進計画」・「認知症施策推進計画」を合せたものにしました。『多様な地域活動の推進と支援』『包括的支援体制の充実』『地域の絆づくりの場・居場所の構築と交流の推進』を重点施策として実施します。
創設から25年を経過した介護保険制度は、令和7年度に「団塊の世代」が75歳を迎え、介護保険料の増加など岐路に立っています。2040年に向けてますます85歳以上の医療・介護の複合ニーズを抱える方や認知症高齢者、独居高齢者等が増加する中、持続可能なサービスを提供するためには、介護人材の確保に努めなければなりません。令和8年度は持続可能な介護サービスの提供体制の構築と地域包括ケアシステムの推進を目指し、「天理市高齢者福祉計画・第10期介護保険事業計画」を策定します。
令和7年度は、第2期天理市地域福祉計画に「天理市認知症推進計画」を含めて作成しました。冒頭に申し上げた「新しい認知症観」に基づいて共生社会の実現を目指し、「正しい理解の促進」、「予防と健康づくり」、「早期発見・対応」、「本人・家族の支援」の4つの柱に沿って、認知症予防事業を推進します。
定期的に開催している「認知症カフェ」や「オレンジサロン」は、孤独・孤立を防ぐ重要な居場所として定着しています。「ミュージックケア認知症音楽療法」なども実施しています。まちかど相談室では、保健師・看護師による早期相談体制を整えました。簡易なタブレット検査「脳体力トレーナー」を使って認知機能のチェック&トレーニングを実施し、個別相談を行います。また、「聞こえの健康チェック」を実施し、加齢性難聴の早期発見、医療機関への受診につなげています。
「みまもりあいアプリ」を活用した専門医の情報発信など、市民への正しい理解普及への取組みを継続します。「認知症サポーター養成講座」の受講者は累計6,600人を超えました。
令和7年度は、小学生以上を対象とした講座を開催しました。令和8年度は、ユマニチュード講演会や、絵本を使用した認知症啓発講座などを実施する予定です。
誰もが認知症になり得ることを前提に、市民が「新しい認知症観」を理解するため啓発を重点的に行ってまいります。
介護保険サービスを利用しながら在宅で生活する方が増えています。本人・ご家族のための、症状やケアについての情報提供やメンタルサポートを行います。
認知症の経過に伴う症状や行動例、家族の心構え、対応のポイント、医療・介護・地域資源の利用方法など可視化した「認知症ケアパス」を活用し、本人・家族・支援者の共通理解をつくった上で、適切なタイミングで必要な支援を行います。
本市が包括連携協定を締結した大塚製薬株式会社と連携し、認知症の方と介護者それぞれの目線で場面を体験し、より良い接し方を学ぶ「認知症ケア支援VR」の体験会も予定をしています。
身体的な虚弱だけでなく、社会的な孤立などによる精神的フレイルを防ぐため、ひとりひとりに寄り添った介護予防事業が重要です。
公文学習療法センターと連携した「活脳教室」は、令和7年度までに累計364名が参加し、認知機能の維持・改善において高い成果を継続しています。令和8年度も複数地域より教室開催の希望をいただいています。
「活脳教室」終了後の自主活動の場「活脳クラブ」は、市内22クラブまで拡大し、現在約280名が活動しています。参加者同士が支え合う集いの場、地域における「安心できる居場所」となっています。
地域が自主運営する通いの場も、128ヶ所に拡がりました。顔の見える関係性を構築することで、地域の見守りや防災・防犯の拠点としての役割も担っています。生活支援コーディネーターが中心となり、未設置エリアへの普及と既存拠点の活性化を支援します。介護予防リーダーによる「STEP体操」、医師会、歯科医師会、薬剤師会と連携した「いきいきはつらつ教室」もさらなる発展を目指します。
高齢者が住み慣れた地域で生活を続けるための生活支援体制整備事業では、市内4圏域に生活支援コーディネーターを配置し、高齢者に伴う地域課題の掘り起こしと解決に努めています。生活支援コーディネーターは、制度上介護サービスでは対応できない、ちょっとした困りごとなどを助けてくれる有償ボランティア「天理市生活支援サポーター(愛称:てんさぽ)」を養成しています。令和8年度は、てんさぽの利用促進を図ります。
ならコープと連携した移動販売による買い物支援は、柳本・朝和校区と福住校区で計28カ所に拡がり、地域の交流の場、安否確認の見守りの場としても定着してきました。引き続き、地域の実情に応じた運用に努めます。
交通弱者の支援では、AIデマンド交通サービス「チョイソコてんり」の利用者数が、令和6年度以来で延べ49,000人(R6.4月からR7.12月まで)に達しました。1か月当たりの利用人数も平均して2,400人を超えています。ただし、乗車希望が多い日では、予約の不成立も見受けられます。今後も免許証返納等によって利用増加が見込まれることから、令和8年春頃から福住校区において公共ライドシェアと組み合わせる予定です。これにより、現在4台稼働しているチョイソコが、盆地部を中心により効率よく対応できると期待しており、更なる運用改善に努めます。
単身高齢者世帯や高齢者夫婦のみの世帯が増加する中、「最後まで自分らしく、住み慣れた地域で周囲や地域に迷惑をかけずに安心して過ごしたい」という切実な声が寄せられています。こうした個人の不安に寄り添うことは、将来的な孤独死の防止や、身寄りのない方の死後事務の負担軽減に繋がります。
令和8年度は、「終活」に関する市民向けセミナーを6回程度行います。相談窓口を設置し、エンディングノートの活用など、終活の重要性を周知・啓発しサポートする取組を行います。
その他、ガン治療による脱毛や乳房切除など、外見の変化がもたらす心理的不安を軽減する「アピアランスケア助成事業」、図書館の「読書バリアフリー事業」など、個人が抱える様々な困りごと、生きづらさに寄り添い、自分らしい社会参加を促す取組みを継続して参ります。
生活習慣病の予防では、特定健診の自己負担金値下げ、特定健診とがん検診を同時に受診できる集団ミニドックを継続します。令和6年度からは、無料で歯周病検診を受けられる受診券を送付しており、令和8年度も受診率向上を図ります。
小児の呼吸器感染症の主な原因の一つであるRSウイルス対策では、ワクチンを妊娠28週から36週までの妊婦に接種することで、乳児期早期における感染予防や重篤化予防の効果が期待されます。令和8年度から予防接種法に基づく定期接種の位置づけとなり、本市においても円滑に接種ができるよう体制を整えて参ります。
HPVワクチンは、男子に接種すると、中咽頭がん、肛門がんや尖圭コンジローマなど性感染症の予防だけでなく、将来のパートナーへの感染予防にもつながります。本市は、近畿で他自治体に先駆け、小学6年生から高校1年生の男子にHPVワクチンの接種費用の一部を助成しています。令和8年度は自己負担金を無料にし、少しでも多くの方が接種できるよう努めます。
高用量インフルエンザワクチンが、令和8年10月より予防接種法が指定するワクチンに含められます。75歳以上の対象者のうち、希望者が選択できるよう対応します。
がん検診は、ニーズに応じた多様な受診機会を確保し、利便性の向上に努めています。受診増進のため、先着でイチカポイント1,000ポイントを進呈しています。大腸がん検診、子宮がん検診、乳がん検診は、節目年齢の対象者に無料クーポンを発行しています。子宮がん検診及び乳がん検診と骨粗しょう症検診を合せて受診された場合、費用の減額を行っています。令和8年度も、あらゆる機会を活かして受診率向上を目指し、早期発見・早期治療に結び付くよう取組みます。
休日応急診療所では、感染症流行期に問い合わせが集中して電話がつながりにくい状況が生じました。令和8年度は、電話自動応答システムを導入し、受付業務の効率化と待ち時間の短縮につなげます。
Ⅲ.市民の命と暮らしを守る「安全・安心」のまちづくりの実現
第三の柱は、市民の命と暮らしを守る「安全・安心」のまちづくりの実現です。
令和7年度、政府は「国土強靱化実施中期計画」を策定し、防災インフラの整備・管理、ライフラインの強靱化、デジタル等新技術の活用、官民連携強化、地域防災力の強化の5つの柱に沿って、令和8年度から12年度までの5年間に実施すべき施策を示しました。かけがえのない市民の生命財産を守るため、本市もこれに沿った事業推進を着実に推進します。
「天理市国土強靭化地域計画」は、26の起きてはならない最悪の事態を回避するための方針を設定し、道路網の整備や橋梁の長寿命化、地域の防災リーダーである防災士の育成や連携強化など、ハード面・ソフト面の双方で施策を進めることとしています。
災害時初動体制と避難所環境の整備では、避難や避難後のストレスなど精神的、身体的負担による災害関連死を一人でも少なくすることを目標としています。政府は、TKB(トイレ・キッチン・ベッド)の充実強化を重要視しており、本市は、バリアフリー対応の大型トイレカーを配備済みです。国の地域未来交付金を活用しながら、テント式パーティション、簡易ベッド、循環式シャワーシステム、エアーテント、蓄電池など装備充実を図っており、令和8年度も継続します。避難所の標識には、災害の種類に応じてピクトグラムや英語を併記し、多文化共生への対応を進めます。蓄光タイプの標識に変更し、視認性も向上させます。
消防団は、地域防災力の要です。本年1月、空気の乾燥が進み「林野火災警報」が発令される中、柳本町で一般住宅火災が発生した際には、消防団と消防署の連携が被害拡大の抑止に大きな役割を果たしました。引き続き、常備消防と非常備消防双方の充実を図ります。
水害常襲地域について、令和7年度は、天理市建設業協会と市域内の危険箇所の合同巡視を実施しました。令和8年度以降も継続して参ります。応急復旧業務に従事いただく建設業協会に警備業務を委託することで、緊急時に迅速に対応する体制を強化します。
二階堂地区三の坪地域については、菰池の治水活用に向けて、令和7年度は、流入・流出施設の構造、護岸の嵩上げ、堤体の補修等に関する詳細設計を奈良県が実施しました。県市が連携し、地元理解を得ながら早期に工事着手できるよう全力を尽くします。
庵治池の治水利用については、本市の整備事業は完了しており、最大88,000m3の貯留が可能になりました。寺川への排水口に設置するフラップゲートを、奈良県が令和8年6月末までの完成を目指しています。これにより、10年に1回程度の大雨(最大1時間雨量52mm/h、24時間雨量167mm)では浸水の解消が見込まれます。
防災重点農業用ため池については99箇所の内、令和8年度は、2巡目のため池パトロール14箇所、豪雨耐性評価15箇所、耐震性調査5箇所を予定しています。防災工事が必要となった場合、完成前にも必要があれば、応急的な防災工事や低水位での管理等を行います。
橋梁の点検につきましては、対策が求められている橋長2m以上の橋梁が市内に322橋あります。令和6年度は「天理市橋梁長寿命化修繕計画」の更新を行い、3巡目の点検を開始しました。令和8年度は3橋の橋梁修繕事業を行います。
既存木造住宅耐震改修事業では、改修工事の高騰に対応するため、補助限度額を115万円に引上げ、住宅耐震化への支援を強化します。
交通安全の強化では、視覚に障害のある人の安全を確保するため、踏切道及び交差点内等に誘導表示を整備しています。令和6年度は、近鉄天理線前栽第3号踏切(田井庄町)に踏切内誘導表示、令和7年度は、天理駅前南交差点(川原城町)にエスコートゾーン整備を進めました。令和8年度は、市道北大路線 北大路交差点(三島町)において、エスコートゾーンを整備します。
駐輪対策事業では、天理駅前北駐輪場の改修を令和7年度に行い、令和8年度より、これまで受け入れ対象外だった新基準原付の受け入れを開始します。
防犯対策事業では、駅前や小中学校付近を中心に街頭防犯カメラを48台設置・運用しています。地域の自主防犯意識の高まりに応えて、自治会等による防犯カメラ設置に対する補助事業を令和8年度も推進します。
防犯灯LED化事業では、市内で約7,200灯のLED防犯灯を維持管理しています。新たな防犯灯の設置要望にも応え、令和7年度には28自治会で計54灯を設置しました。令和8年度も新設募集を行い、犯罪を起こしにくい明るい環境づくりを推進します。
市内の特殊詐欺の被害額も増加傾向です。最近は、幅広い世代が被害に遭っていますが、依然として高齢者の割合が高いため、令和8年度も防犯電話購入費補助を継続します。
循環型社会の推進では、県内10市町村による新ごみ処理施設「やまとeco」が、令和7年5月より本稼働しました。廃棄物エネルギー発電や省エネによって、地球環境に貢献する施設としても順調に稼働しています。見学施設が環境学習の場として活用されている他、温浴施設が人気を博し、2月末までの10ヶ月間で約12万3千名に来場いただいています。ゴミ処理施設は、今や「迷惑施設」ではなく、地域振興に資する施設となり、他自治体の視察も続いています。
ごみの直接持ち込みは、ネットによる24時間受付けられる事前予約制を導入し、事前に懸念された周辺道路の渋滞も抑制できています。
旧クリーンセンターの焼却施設及び粗大・リサイクル施設は、循環型社会形成推進交付金を活用して解体事業に着手しています。令和7年度は、建物内のアスベストやダイオキシン等の汚染物調査、敷地内の土壌汚染調査、発注仕様書の作成を行いました。令和8年度に解体事業者を一般競争入札で決定し、令和10年度にかけて施工予定です。
環境保全に向けた取組みでは、本市は「プラスチックごみゼロ宣言」を行っており、市役所でのインクカートリッジや文房具の回収をはじめ、引き続きプラスチックの回収・再生に向けたサイクルの確立に向けて取組みます。
天理市聖苑では、令和7年度から実施している火葬炉の交換修繕を令和8年度中に完了し、合せて御遺族等の利用者の利便性向上のためWi-Fi環境を整備します。
クビアカツヤカミキリによる桜などへの被害が深刻化しています。令和8年度も、樹木の樹幹に薬剤を注入する化学的防除と、樹木の伐倒による物理的防除を継続実施します。
全国的に熊による人身被害が拡大するなか、緊急銃猟制度が創設されました。令和7年度は、市内でも熊が目撃され、熊用捕獲檻、熊スプレー、防護盾等を確保しました。3月3日には、熊に遭遇した場合の防御姿勢の習得などを目的に、福住校区で講習会を行いました。令和8年度は、訓練や緊急銃猟に際しての日当を予算措置した他、猟友会・警察・市の3者間での連携を図る訓練等を予定しています。野良猫による生活環境の悪化対策では、どうぶつ基金発行の去勢手術チケットを市内ボランティア団体に配布して対応しています。令和8年度は、クラウドファンディングによる資金で助成を拡充します。
Ⅳ.活力ある地域社会に向けた「賑わい」の創造
第四の柱は、活力ある地域社会に向けた「賑わい」の創造です。
市域の道路アクセスでは、名阪国道や京奈和自動車道に加え、京奈和自動車道一般部の整備が進んでいます。奈良県が実施する九条バイパスも南側から着工しており、令和7年度は布留川南流付近において、橋梁下部・地盤改良工事が竣工し、引き続き、河川付け替え工事が進められています。市道・別所丹波市線は、早期完了を目指し事業を進めており、令和8年度に法面の保護・整形を行い、併せてボックスカルバート東側部分の補強土壁工及び擁壁工の施工を予定しています。
広域的な交通ネットワークが形成されることにより、沿線では工場や配送拠点が新設されています。令和元年以降の1Ha以上の大型土地利用は21件に及び、令和7年度は6件増加しました。投下固定資産相当額を支援する「事業所設置奨励金」を活用し、企業誘致と地域内雇用の促進を図っています。
企業立地の進展は、人口減少下の本市財政を支える上で重要です。固定資産税、通勤に伴う軽自動車税の増収となり、本市税収は平成25年度から約5.2億円増えています。
「天理市都市計画マスタープラン」では、幹線道路沿線やインターチェンジ周辺を「産業振興地区」に指定しています。農振法改正により土地利用に新たなハードルが生じましたが、農地保全とバランスを取りつつ、更なる企業立地を目指します。
市街化調整区域における建蔽率の制限等についても、名阪国道から市道田櫟本線に至る産業振興地区内で緩和を実現しました。この実績をもとに、奈良県と問題意識を共有し、更なる改善に向けて働きかけを行います。解体を進める旧クリーンセンター用地は、土壌調査の結果、通常の土地利用が可能であると判定されました。国道24号線に接し、市内では貴重な準工業地域に位置するため、将来の企業立地に向けて大いに期待しています。
「天理市人口ビジョン」は、本市市民は通勤時間30分以内の自宅近隣に勤務する割合が59.8%と高いことを示しています。県内で類似の傾向は、五條市、御所市など京阪神都市部から距離があるエリアに共通しています。本市では、地元雇用を守らない限り、人口減少にも拍車がかかることを意味しており、企業の定着・誘致は全ての住民サービスに密接に関わる問題と捉えています。
誘致企業全般、特にサービス業及び製造業の企業では、新たな従業員の確保が課題となっており、本市雇用奨励金制度や奈良労働局と連携した面接会の開催など積極的な支援を継続します。
天理市中小企業融資制度は、コロナ関連融資の終了以降、利用が急増しています。長い低金利時代が転換期を迎え、利率のある社会情勢となった今、市融資制度の重要性が高まっています。令和7年度は、上半期末までに新規の融資枠が上限額に達したため、早期に受付終了となりました。市議会及び商工会からの改善要望を受けて、令和8年度より、融資総枠を2億円から4億円へと拡大し、市内事業者のニーズに合わせた融資条件の拡充を実施します。「借換」を可能とすることで返済期間を実質延長し、設備資金については、融資限度額を700万円に引き上げ、融資期間を7年に延ばします。店舗改造資金は、融資期間を10年に延長します。
商工会と連携した「創業スクール」では、経営・財務・人材育成・販路開拓の4分野を受講した創業希望者に対して、創業時の登記費用や融資制度の優遇制度を設けています。令和8年度は、新たに奈良県商工会連合会が計画している創業セミナーを本市支援の対象に加えるべく、国の計画変更手続きを進めます。
デジタル地域通貨「イチカ」は、政府の物価高騰対策を迅速に実施するツールであるとともに、市内消費を支えています。昨年度政府補正予算への対応では、令和7年6月までに約1.3億円が利用されました。本年2月には、改めて一人当たり7,000円、65歳以上の方には9,000円のイチカを配布し、発行額は計4億5,400万円に及びます。物価高騰対策の期間外にもポイント還元事業を実施し、月当り販売額は大幅に上昇して500~600万円に達しました。
その他、出産・子育て時の経済支援、健康施策、「イチカプラス事業」によるこども食堂等への支援とも組み合わせています。令和8年度は、健康寿命延伸を目指す「いちょう体操」に対し、参加を促すため新たなイチカポイントを付与します。引き続き、多様な政策間連携を行いつつ、市内消費の喚起を図ります。
農業分野では、農家の高齢化に伴い担い手の不足が深刻です。市内の放棄地面積は約16.4ha、市内農家の約8割が65歳以上であり、主な担い手が70代となっているのが現状です。これから10年前後の間に、急速に担い手が減少することが懸念されます。
担い手確保と生産性の向上に向けて、令和7年度は、経営開始型及び経営開始資金を活用して6名への支援を継続しました。機械・施設等への投資に対しては、経営発展支援事業及び世代交代円滑化事業を活用して4名に支援しました。
地域が目指す将来の農地利用を明確化する「人・農地プラン」は、市内38地域で地域計画が策定済み、策定割合は約80%です。農地の集約化を推進するとともに、中心経営体に位置づけられた農業者に対して、必要な農業用機械・施設の導入を支援します。
特産品開発では、刀根早生柿の沖縄へのセールスを実施しており、令和7年度は沖縄Aコープに2千ケース超を出荷しました。「刀根早生発祥の地」萱生町では、農業体験と観光を掛け合わせた「おてつたび事業」を継続します。
いちごについても、「天理産古都華」の知名度を高めるため、リキュール「古都華の薫(ことかのかおり)」を開発し、令和7年度は300本販売しました。沖縄県西原町では、「奈良県天理市の刀根早生柿」「天理のいちご」が採用・紹介されました。今後も沖縄での知名度向上及び、販売量の増加を目指します。特産品認定された「大和三尺キュウリ」は、令和7年度に4農家が約2万本を生産し、奈良漬けに加工しています。
給食を通じた地産地消の推進では、天理市集落営農組織連絡協議会で栽培されている特別栽培米「天理米」を前栽こども園で購入しています。
新たな基軸として、「お米のオーガニック化」推進事業を進めます。
盆地部では、特別栽培米からオーガニック米への転換を図り、営農組合とともに大規模展開への道筋づくりを行います。大和高原では、小規模農地の付加価値向上を目指して、有機栽培を開始しています。今後、実践的な栽培講座により安定化し、有機栽培に取り組む仲間づくりを進めます。
盆地・高原の2エリア共同で、日本自然保護協会と連携したネイチャーポジティブの現地調査・指標づくりも行います。水田が持つ生態系保全機能を見える化し、農家・市民・行政・企業が一体となって取り組むプロジェクトとして育てていきます。
高齢化が特に進む福住・山田地区では、下山田を除き圃場が未整備であり、効率化の妨げになっています。両地区を奈良県「特定農業振興ゾーン」に設定し、このたび県営圃場整備事業に採択され、令和8年度は測量設計を開始します。これは、福住地区営農組合の設立による地元担い手の集団化、企業との連携が進んだこと、オーガニックビレッジ事業を軸に内閣府「SDGs未来都市」に本市が認定されるなど、価値創造に向けた努力の成果です。
企業との連携では、令和8年度、大規模営農が難しい山間の「弱み」を克服する挑戦として、オーガニック卵の生産に向けた平飼い養鶏事業に着手します。
高原地区では、圃場整備や放棄茶園の活用、定住移住促進、生活支援などをパッケージにした「大和高原『福住村』プロジェクト」を進めています。農林水産省が進める地域運営組織「農村型RMO」による集落運営を目指し、令和7年度は協議会を設立しました。令和8年度は、公共ライドシェアの実証運行や移住定住促進、地域の農産品の販路拡大、関係人口の創出に向けた「ふくふく市」、有機農作物の生産等を一体的に行います。
また、奈良県が県南部・東部地区における過疎化地域の土地利用規制を見直す方針を示したことを受けて、地勢が類似する福住校区と山の辺校区山間部、桜井市東部山間部においても同様の見直しが行われるよう、県・桜井市と合同で検討を進めています。
若手農業者の育成では、4Hクラブによるチャレンジファームでのスイカ栽培など継続支援します。ドローンの活用をはじめ、スマート農業の導入・普及に必要な技術を習得するため、4Hクラブに対して、令和8年度は新たな補助を行います。アウトドアメーカーモンベルとともに人材育成に取組む天理大学は、農業法人「天理アグリ」を設立し、萱生町を中心に耕作放棄地を活用しキャベツ、トレビス等の生産を行うとともに、一部担い手のいなくなった柿畑の管理も行っています。今後も生産規模を拡大していく予定で、農地の確保に向けて、放棄地とのマッチング等、引き続き連携して取り組んでまいります。
農地対策とともに、農地を取り囲む里山の荒廃に対策していくことが重要です。景観の低下だけでなく、ナラ枯れなどによる交通安全への影響、土砂崩れなど災害リスクの高まり、新たに熊まで加わった鳥獣害など、山の環境保全は多様な課題と密接に関わります。
森林環境譲与税や国・県補助金を財源として、天理市森林組合による放置林間伐、境界の明確化、植林地の下刈、混交林誘導事業などを支援します。
荒れ果てていた旧山田教育キャンプ場は、保育フィールドとして活用している「森のようちえん ウィズナチュラ」の手によって、見違えるように再生されました。森林保育や体験型教育プログラムは、交流人口の拡大や移住促進に大きく寄与しています。キャンプ場周辺の森林では、「ユネスコスクール」に認定された福住小中学校も連携し、広葉樹の活用も進んでいます。令和8年度は間伐材の木材としての利活用事業を開始します。
令和8年度は、「全国巨樹巨木の会全国フォーラム」を本市で開催予定です。巨樹巨木を核にした自然環境・文化資源の価値を再確認し、保全と活用を両立させる地域のあり方を発信します。この他、天理駅前広場コフフンでは、環境市民ネットワークと天理高校が連携し、樹木の成育改善に取組んでいます。
鳥獣被害防止対策では、令和7年度も猟友会の御尽力により、約700頭のイノシシ及びニホンジカを捕獲しました。捕獲活動への経費補助に加えて、狩猟免許の新規取得にかかる手数料や講習経費を補助し、人材の確保に努めます。防護柵の設置補助に加えて、盆地部で被害が増加しているアライグマ対策として、令和8年度は捕獲檻を増設し、協力報奨金を新設します。
天理に人と消費を呼び込む観光事業では、令和8年度に新たな拠点が生まれます。
JR西日本は、奈良商工会議所、奈良県及び沿線自治体と連携し、万葉まほろば線を含む環状ルートを活用して「なら SLOW&LOOP」プロジェクトを進めており、本市では天理駅での「てんだいフェスタ」や柳本駅が貢献してきました。新たに、櫟本駅舎を本市が譲渡を受け、公募で選定した株式会社立志社を運営者として、築126年の木造駅舎をゲストハウスに生まれ変わらせます。令和8年度GWを目処にオープン予定で、泊まれる駅舎はJR西日本管内では初の事例となります。
旧御経野共同浴場も令和8年度にリニューアル・オープン予定です。市中心部から山の辺の道エリアをつなぐ取組みとして、開業支援を行います。
令和8年度は、平和を後世に語り継ぐ戦争遺産として、「大和海軍航空隊大和基地(通称:柳本飛行場)」の公有化も進め、一般公開に向けた整備を進めます。
山の辺の道エリアや高原地区では、古民家を活用したゲストハウス活用が進みつつあります。今後、老朽化した空き家問題が深刻化すると懸念されます。本市は可能な限り利活用に道を拓きたいと考えていますが、建築基準法などの縛りも多いのが実情です。令和8年度は、奈良県建築士会と共同研究で利活用に向けた課題を整理します。また、移住・定住促進の点でも空き家の利活用は重要であり、奈良県宅地建物取引業協会と連携して、「天理市空き家バンク」の充実を図ります。
ソフト事業では、政府の「新しい地方経済・生活環境創生交付金」事業に採択されたオープンドア・イベント「天理 倉の交流祭」がスタートしました。トライアルに位置づけた令和7年度は、目標を大きく上回る約7,000名が来場しました。地域の産業・文化資源を観光コンテンツとして磨き上げるため、令和8年度はより幅広い分野の事業者・団体に参加を呼びかけます。
トヨタユナイテッド奈良や県中南部の自治体と連携した「YUHO Rally 飛鳥 Supported by トヨタユナイテッド奈良」は、全日本ラリーの振興・発展に貢献した方を表彰する「JRCAアワード」を受賞しました。本市をハブに奈良県にモータースポーツ・観光の新機軸を打ち立てるべく、「Rally飛鳥実行委員会」を設立し、令和8年5月の第二回大会に向けて準備を進めています。また、トヨタユナイテッド奈良と天理大学、本市の間で三者協定を締結しました。令和8年度は、ラリーの企画運営を核として、インターンシップの創設、地元就労の促進を目指します。
有志による「天理やまのべクラッシクカーフェス」も盛況であり、同じく有志が開催している「Tenriウルトラ盆おどりFestival」などと共に、協賛企業からのふるさと納税を活用して、新たな取組みを積極的に支援していきます。
スポーツツーリズムでは、天理ラグビー100周年に合せた観戦ツアー、穴井隆将氏による柔道体験に加えて、令和7年度は天理大学バレーボール部のファンミーティングを開催し、競技や体験メニューの幅が拡がりました。令和8年度も、企業協賛によるプロバスケットボールチーム「バンビシャス奈良」によるバスケットボール・クリニックやプロサッカーチーム「奈良クラブ」による公式試合天理市民デーも継続して開催します。
令和13年の国民スポーツ大会では、ラグビー競技の御所市との共同開催、白川ダム及び周辺エリアでのトライアスロンの本市開催を予定しています。企業版ふるさと納税等を活用した親里競技場の整備支援など、ハード・ソフト両面での機運醸成を目指します。
この他、「パフォーマンスフェスティバル」や「ワールドフェスティバル」、銀杏並木を観光資源化した「ほこてんり」、本通り商店街の「本ブラサンデー」、「天理の第九演奏会」、「You&Iロビーコンサート」「文化で天理を元気にするフェスティバル」など文化・芸術を活かしたイベントが、コロナ禍から復活し、あるいは新たにはじまり、天理の活性化に大いに寄与いただいています。
これらの文化芸術・スポーツ活動を支える拠点は老朽化しており、令和8年度、それぞれ対策を進めます。市民会館は令和7年度中の検討結果を踏まえて、改修計画の具体化を行います。文化センターは、舞台設備の更新や安全対策を行う他、トイレの洋式化・バリアフリー化を実施します。トイレの洋式化は総合体育館でも行い、合せてアリーナ照明をLED化します。
政府公式インスタグラムで黒塚古墳とともに紹介された天理駅前広場コフフン・南団体待合所では、令和7年度も「コフフンフェス」をはじめ500件を超えるイベントが開催されました。コフフン内の「天理大学i CONENECT Shop」の橋渡しにより、天理大学図書館や天理参考館への人の流れも、一歩ずつできています。「柳灯会inコフフン」をはじめ、市内各地のイベントを市中心部で発信する取組みも定着しました。
令和7年は、災害時における井戸の重要性を啓発するためポンプ式井戸をコフフンに設置しました。令和8年度は、夏の水遊び場としても活用予定です。
「飛鳥・藤原の宮都」の世界遺産登録が見込まれる中、天理市をはじめ山の辺の道エリアが、奈良市周辺と南部をつなぐ架け橋となるよう、令和8年度も新たな挑戦を続けて参ります。
Ⅴ.人口減少社会に適応した持続可能な「行政サービス」の実現
第五の柱は、人口減少社会に適応した持続可能な「行政サービス」の実現です。
住民情報システムの標準化は、生活保護と戸籍システムの移行が完了しました。住基、税、福祉などの業務については、システムの安定稼働の確保が、現在の開発状況では困難であることから、移行時期を令和9年度へ延伸することにしました。システム標準化に伴うガバメントクラウドへの疎通は完了しています。
財政状況に合わせて御説明した「窓口DXSaaS」は、市民の来庁時に職員がタブレット等で必要事項を聞き取り、入力情報をデータ連携で関係部署へつなぐことで、申請書記入の負担や手続きの重複を減らし、手続きを円滑化するものです。手続きの標準化と確認作業の効率化を進めることで、窓口の待ち時間短縮と職員の事務負担軽減を図ります。
令和8年度はシステム導入のため、窓口担当職員で構成する「窓口DXワーキンググループ」を中心に、業務フロー整理、必要なデータ連携の検討、運用ルールや研修内容の整備を進めます。さらに、来庁不要で時間を選ばず手続きできる環境を整えるため、オンライン申請の拡充を重点的に進めます。
また、生成AIやRPA等の活用により内部事務の効率化を図ります。令和8年度は行政業務に特化した生成AIのIDを全庁職員へ配付し、文書作成・要約・照会対応などで活用し、業務効率化につなげます。ガイドラインを踏まえた職員研修を行い、安全第一で運用して参ります。
市議会においても、ペーパーレス会議システム導入に向けて取組まれています。令和8年度に導入できるよう予算措置しており、効率的な審議の実現のため、市議会・行政が連携して取組んで参ります。
令和8年度は、各種証明書発行手数料の支払いについて、キャッシュレス決済に対応したセミセルフレジも導入します。
DX人材の確保に向けて、有志の職員を「DX推進リーダー」として任命し、令和6年度より育成を行っています。令和8年度には、新たに6名の職員の育成を行います。最新のデジタル技術や生成AIなどの活用を習得し、他の職員にも広めることで、組織全体での業務効率化を図ります。
マイナンバーカードは、健康保険証、運転免許証に加えて、令和8年6月より在留カードとの一体化も行われる予定です。各種証明書のコンビニ交付やオンライン転出等、来庁不要の電子申請の基礎ツールになり、今や「デジタル市役所」の推進には欠かせません。
更新時期には業務が重なるため、コールセンターや、健康保険証との紐づけサポートなどを業務委託し合理化を進めます。新たに第4日曜日に休日開庁を実施し、市民の利便性の向上を図ります。
「おくやみワンストップ」は令和7年度に開設し、従来1時間半程度要していた手続きを45分程度に短縮しました。令和8年度は、市役所に来庁することが難しいご遺族の方向けに、「自宅でおくやみコーナー」を開始し、オンライン申込みと各種届け出の郵送を組み合わせて、来庁不要で手続きを完了できるようにします。おくやみ対応を先駆事例として、「窓口DXSaaS」の導入時期に向けて、あらゆる業務の抜本的な効率化を目指します。
以上、令和8年度の主要な施策についてご説明しました。
人口減少社会は、政府がどのような対策を打とうとも、短期間では反転不可能な抗いがたい現実です。いくら言葉を飾って誤魔化そうとしても、意味がありません。現実をありのまま直視する。その上で悲観にばかり陥らず、しなやかに対応し、持続可能な市民サービスを守る。それが、私たちの使命です。「人口減少社会適応都市」の本質とは何か。市民及び市議会の皆さまと取組む中で考えた末、ひとりひとりの安心と幸福である、との原点に立ち返りました。
この思想に基づき編成した令和8年度予算案について、慎重なご審議の上、御承認を賜りますよう心からお願い申し上げます。
(以上)
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