次の4年。『共創』+『共に支える街天理』に向けて全力で働けるよう、精進して参ります。

私なみかわ健は、本日(12月19日)市議会でのご質問に答え、

来年(平成29年)10月に迎える任期満了後の次の4年間も、再び市民の皆さまのご付託を頂き、天理市民の皆さまの幸福追求と本市の発展のため、全知全霊を捧げ働いて参れるよう、精進を重ねていくことを表明しました。

所信表明

平成25年10月に市政をお任せ頂いてから3年余。決して私個人の業績ではなく、「オール天理」の街づくりによって、本市の地方創生は、暮らしの豊かさと活性化の両面で様々な成果を達成できたと考えています。

医療と介護の連携、地域包括ケア、教育環境の充実、子ども医療費助成の拡充や多子世代支援の強化、働き方改革、モノづくり支援、天理の魅力発信と周遊観光拠点の整備、企業立地支援と安心安全を見据えた道路アクセスの大幅改善、持続可能なごみ処理体制etc.

財政上も、昨年度は約9.6億円の黒字決算。将来負担比率(将来への借金のツケ)も着実に改善傾向にあります。

しかし、これらの施策が、市民の皆さまの暮らしにしっかり根付き、実感できる豊かさを生み出すためには、これからが寧ろ「正念場」です。

これまで掲げてきた『共に創る明日の天理』という言葉に加えて、

『共に支え合う街天理』を目指し、諸先達に育まれてきた、またこの3年間の取組を繋ぎ、政策間/地域間のネットワークを強め、高齢者や子育て世代の孤立を解消し、改めて支え合える地域社会の再構築を目指して参ります。

「オール天理」の一員として働けることは、今や私の生き甲斐であり、無上の喜びです。私のような若輩に、再び公のためお役に立てる機会を与えて下さった皆様のご期待に応えるためにも、全力を尽くす所存ですので、引き続きご厚情とご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い致します。

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【以下、答弁全文】

来秋の今任期満了に向け、飯田議員のご質問にお答えし、私の市政に懸ける所信を申し上げます。

平成25年10月に天理市民の皆様のご付託を頂き、市政をお預かりしてから、早3年余が経ちました。この間、市政の諸課題に向かい、地方創生の大きな流れの中で、本市が暮らしの充実と活性化の両面において大きな前進を遂げましたことは、偏に地域と市議会、市行政が三位一体となり、また行政にあっては市職員各位の日々献身的に職務に当たって下さった賜物であり、心よりお礼申し上げます。

特に、市議会の皆さまには、天理市民の皆様の幸福と街の発展を追求することは共に市民を代表する議会と行政共通の目的であり、「車の両輪」として協働しなければならないと、認識を同じくして頂き、廣井前議長、大橋議長はじめ、各議員より多大なご鞭撻とお力添えを賜って参りました。

「オール天理」の街づくりこそが、現在の天理市政発展の最大の原動力であると確信し、その一員として働けていることは、私にとりまして何よりの喜びであり、衷心より感謝申し上げます。

暮らしの充実と安心安全の街づくりの点では、
医療と介護をつなぐ、地域包括ケアの拠点「新メディカルセンター」がオープンし、従来の診療に加えて、健診機能を大幅に強化しました。また、休日応急診療所を併設したことにより、365日対応できる施設となりました。健康相談や介護・認知症予防等の講座を開催し、医療や介護に関わる皆さまの交流拠点となっています。さらに、県市連携の下、情報通信技術(ICT)を活用したケア情報の共有化事業も開始されました。今後は医師会や地域包括支援センター等と連携しながら、各地域で開設が続いている高齢者サロン活動等を結び、ネットワークを強化していきます。
また、県との協力の下、子ども医療の通院費助成の対象を、今年度より中学生までに拡大実施しました。精神障がい者医療費助成の対象も、来年度より2級までとする予定です。

教育環境の充実では、長年の懸案であった前栽小学校の改修事業を、施工期間と予算を大幅に合理化し、実施することに成功しました。丹波市小学校、福住小学校でも耐震化が完了し、山の辺小学校のプール及び体育館の改修事業も順調に進捗中です。また、建設時の施工上の問題から耐震性がないことが判明した嘉幡保育所では、昨年度直ちに新園舎を建設し、地域のコミュニティセンターを臨時の保育スペースとすることによって、建設費用及び期間を大幅に合理化しました。

地域の交流拠点としての学校多目的室の活用、図書館の未就学児への開放、放課後補講、土曜講座など、学校と地域を結ぶ事業も各校で進みつつあります。また、児童それぞれの特性に応じて、きめ細かい教育を行うため、スクールカウンセラー及びスクールサポーターを本年度より倍増し、各校に配置しました。今後は、ICT等の導入による平等な学習機会の確保も一層進めて参ります。生徒数の減少により複式学級での運営を余儀なくされた福住小学校では、少人数を逆に魅力とするため語学指導やICTを活用した授業等を充実させて参りました。来年度より、同校を小規模特認校とし、盆地部分からの児童を受け入れることとした結果、生徒数は2割以上増加する予定です。

「一億総活躍社会」「女性の活躍推進」の上で重要性が高まっている学童保育については、小学校校舎や敷地を活用し、昨年に櫟本小学校で増設を行い、来年度当初には、丹波市、山の辺、前栽、柳本でも受け入れ枠の拡大を行う体制が整います。幼稚園での長時間預かり保育も、櫟本、二階堂、柳本と広がってきており、今後のニーズを踏まえ更に充実を目指していきます。幼稚園保育室への空調設備の設置予算を、本議会に上呈しており、来年度夏までには設置を目指します。多子世帯支援としては、第二子及び第三子の保育料減免も保育所だけでなく幼稚園でも実施することができました。

さらに、妊娠、出産期から就学に至るまで切れ目のない一貫した支援を行う拠点「子育て世代すこやか支援センター」を、本年度末にオープンします。専任の子育てコンシェルジュによるワンストップの相談窓口を開設し、産後支援の専門知識を持ち不安定になりやすい時期のお母さん方をサポートする「産後ドゥーラー」を、本年度、全国で初めて自治体として養成しており、来年度より同センターで活躍いただく予定です。子育て支援団体や子育てグループとの連携を強化し、子育て世代の孤立解消に全力で取り組んで参ります。また、現役子育て世代のライフスタイルに合わせ、電子版「母子手帳」も本年度開発しています。

他方で、これらの福祉、子育てのための行政施策を、どのように市民の皆さまに知って頂き、活用のすそ野を広げ、地域での様々な取り組みにつなげるかが、今後の重要課題です。参加に当たっての心理的なハードルを下げるためにも、重視しているのは、「遊び」です。屋内外の遊び場や、遊ぶ機会の確保を、「子育て世代すこやか支援センター」でも重視しています。来年4月にリニューアルオープン予定の天理駅前広場及び団体待合所は、活性化の拠点としてだけでなく、健康遊具を含め多世代の「遊び」と「交流」の空間を、福祉・子育て施策のアウトリーチの場として活用し、メディカルセンターや子育てセンターをはじめとする様々な施設や地域の取組と結ぶネットワークの核としていく考えです。

安心安全の分野では、防災訓練に医師会、薬剤師会、歯科医師会に新たにご参加いただき、応急措置及び搬送訓練を追加して、実践性を高めました。JR及び近鉄各駅、各小学校前に防犯カメラを配備し、通学路の安全対策では井戸堂校区で「ゾーン30」の導入を本年度行いました。前栽駅へのエレベーター設置によるバリアフリー化についても、鉄道事業者との調整が進み、来年度に設計に掛かる予算を計上致します。浸水に悩まされてきた二階堂校区では、地域の代表に参加いただくプロジェクトチームを結成し、貯水槽等の設置により二階堂駅北の浸水を解消した他、下ツ道「二ノ坪」及び「三ノ坪」において道路面の改修や排水機能の強化を実施して浸水の軽減効果を実現し、今後より抜本的な対策を講じるための流域調査事業を実施中です。

活性化については、市民協働により、街を「共に創る」ことを掲げ、天理駅周辺、市南部及び北部、高原地区の4カ所で「街づくり協議会」を立ち上げ、活動して参りました。「街づくり協議会」の取組を軸に、県内39市町村で初となる県市連携協定を締結し、本市が、街づくりにおける「奈良モデル」の先駆けとなったと自負しています。地方創生に掛かる国交付金事業の採択においても、本市の施策が次々に先駆的なモデルとして認定されてきました
昨年度に、産官学勤労言が幅広く参加し策定した「天理市まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、現役世代の市外への流出抑制を、持続可能な街であり続け、将来の子育てや福祉など、暮らしを支えるための核と位置づけ、雇用創出や柔軟な「働き方改革」の政策パッケージを実施中です。

市役所地下に、ハローワークと連携し、就労・自立支援、起業・創業、企業立地支援をワンストップで行う「天理市しごとセンター」を開設し、働く場を創り、働く場を見つけられるための取組を進めています。また、本通り商店街の空き店舗を活用し、通勤アクセスの不便さを克服し、時間や場所に捉われない柔軟な「働き方改革」の一つとして、「テレワークセンター」と地域の「交流サロン」を組み合わせた「天理市産業振興館」をオープンしました。第二子の妊娠期の離職防止、介護離職の防止につながるなどの実例が既に同センターで出てきており、今後は、テレワークを通じた女性と障がい者の雇用促進を、就労を見据えた能力開発とともに行って参ります。前述の「子育て世代すこやか支援センター」において、子育て世代の時間的心理的な負担を軽減し、そこから生まれる余裕を、就労等につなげるため「しごとセンター」や「産業振興館」が連携する「3センター連携事業」が、このほど地方創生の「先駆型モデル」事業として採択されました。今年度から平成32年度まで、重層的な働き方改革を実施していく考えです。

天理で暮らすこと、天理を訪れることの豊かさを共有する拠点として、本年竣工した新櫟本公民館、来年4月にリニューアルオープン予定の新天理駅前広場、トレイルセンターの「街づくり3拠点」による南北の軸が間もなく完成します。ハードの整備と連動するソフト事業として、歴史と文化、様々な教えの積み重ね、スポーツや音楽などの本市の魅力を発信し、自然との共生により古から受け継がれてきた里山の暮らしと都市生活の利便性を兼ね備えた「サトマチ」として、本市を位置付けるためのブランディング事業を進めており、高原地区でも移住定住促進の取組を展開しています。また、産地や作り手の強みを活かしたモノづくり、六次産品の開発支援や販路拡大、各地でマルシェや農業を通じた地域間連携の支援を実施中です。

今般、奈良県議会において、「国際芸術家村構想」関連予算が可決され、本市を予定地とする事業が着実に一歩を踏み出しました。山の辺の道をはじめ、日本の「ふるさと」というべき土地が評価されたことに加え、県市連携の下での本市の街づくりの取組や、上記3拠点の開設により奈良と明日香を結び、磯城郡や桜井市とも本市を結ぶ周遊観光ルートが形成されてきたことが、同事業の誘致に大きな役割を果たしたと認識しています。今後、文化財の保存・活用と、国際的な芸術活動が展開され、農村交流施設等を、本市の農業振興につなげていくために、県事業と連携した取組を進めて参ります。

雇用創出のための企業立地支援、周遊観光、安心安全の街づくり等、様々な視点から、道路アクセスの強化、名阪国道及び京奈和自動車道への動線の確保は、不可欠です。本年度末に、上総~喜殿~南六条を通る名阪側道が開通予定であり、市中心部から郡山ジャンクションへのアクセスが飛躍的に向上することが期待されます。また、市南北のアクセスを大きく改善させる「九条バイパス」が、県市連携道路として事業化され、本年12月に関連の都市計画道路の変更決定が行われました。名阪側道と九条バイパスの開通は、市内の車の流れを大きく変え、旧橘街道の慢性的な渋滞を解消し、前栽と井戸堂の2校区の通学路及び生活道路の安全確保にも大きく寄与すると考えています。天理消防署から市南部への到着時間の大幅な短縮が見込まれる点で「命の道」であり、井戸堂以南の土地活用や企業立地支援のための「血流」となるべき「九条バイパス」の早期開通に向け、県及び地域の皆様と連携し、全力を尽くして参ります。本市には、企業立地のために必要な工業地域及び準工業地域が決定的に不足しています。道路アクセスの整備に合わせて、工業ゾーン、農業振興とも両立する六次産業団地の創出に向けた検討準備を進めてきており、地権者の意向調査など事業化に向けた取組を加速化します。

以上、これまでの本市の取組の進捗と今後について一端を申し上げました。
財政運営の点でも、毎年黒字決算で推移し、昨年度は9.6億円の黒字、将来負担比率も改善傾向にありながら、多くの施策が3年余の内に成し遂げられ、あるいは道筋をつけることができたことは、私個人の業績ではなく、「オール天理」の街づくりの成果です。
そして、県市連携、地方創生の下での国施策の実践、磯城郡3町及び山添村との定住自立圏の形成、天理大学や県立大学との連携協定など、境界に捉われないパートナーシップが急速に積み上げられてきたことの成果であります。

しかしながら、これらの多くは、種が撒かれ、芽が出、一部は実を結んでいますが、市民の皆さまの暮らしにしっかり根付き、実感できる豊かさを生み出すためには、これからが寧ろ「正念場」であると考えています。

私は、「オール天理」の一員として、これら施策を真に市民の皆さまの暮らしにつなげ、天理の未来につなげていくため、来年10月以降も、私の微衷を尽くし、全知全霊を捧げて働いて参りたい。再び市民の皆さまのご付託を頂けるよう、さらに精進を重ねていくことを、ここに表明致します。

これまで、私は「共に創る明日の天理」という言葉をお訴えし、歩んでまいりました。
これから、本市の地方創生戦略を着実に実行していく上で、この「共創」に加え、「共に支え合う街天理」を掲げ、先達に育まれてきた、あるいはこの3年間で整備されてきた様々な拠点や取組がつながり、ネットワークとなり、旧来の地域における人間関係が急速に変容しつつある中にあって、高齢者や子育て世代の孤立を解消し、改めて支え合える地域社会の再構築を目指して参ります。

また、私が来期も市政を担わせて頂きたい、その上で何としても成し遂げるべき使命と心得ていますことは、新ごみ処理施設の建設事業です。10市町村による「山辺・県北西部広域環境衛生組合」が発足し、本年度より4年間の環境影響評価を開始いたしました。また、地域振興を図るための基金設置につき10市町村長が合意し、予定地の周辺地域でも地域振興を議論するための地元協議会が発足しています。環境保全に万全を尽くすことはもちろん、事業の進捗について地域のご理解をいただくために説明を尽くし、地域の振興や防災にも寄与する新ごみ処理施設の建設に責任を以て取り組むことが、私が天理市長を拝命した上での最大の責務であると考えており、私自身の手で、最後までやりとげさせて頂きたいと存じます。

共に創り、支え合う天理の街づくりに向け、全力で働いて参ることを改めてお誓い申し上げ、市議会の皆さまより、今後一層のご鞭撻とお力添えを賜りますことをお願いしまして、答弁と致します。

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